この本を読んで気づいたこと。


「日記というメディアは、残酷なまでにストレートな心理描写をしてしまう。」

 最後のほうは、人に読まれることを意識しているようだが、最初の頃は素直な少女の胸のうちが書いてある。まるで、目の前に亜也ちゃんがいるかのとく生き生きと描かれているのが印象的だった。


「ほとんどの人は、病院で生まれ、病院で死ぬ。」

 普段の生活において『死』を感じることは少ない。情報としてとらえるだけのこともある。実感がない。
 この物語は、一人の少女の「生きていたい」という『死』と隣り合わせの「目標」を周りがサポートし、その様子を、本人の視点でとらえ続けていることが一番の魅力だ。


 何に喜び、何に傷つけられ、何に勇気づけられたのか、そんな「リアル」がここにはある。

1リットルの涙―難病と闘い続ける少女亜也の日記 (幻冬舎文庫)

1リットルの涙―難病と闘い続ける少女亜也の日記 (幻冬舎文庫)