東京マラソンで東京のデザインを考える
今回、参加出来た方も、出来なかった方も
マラソンコースに沿って東京のデザインを
考えてみてはいかがでしょう。
さあ、始まり始まり。
まずは日本の中心、皇居を目指していきます。
見上げると新宿の副都心超高層群。
休日は輪をかけて静かな感じですね。
副都心を抜け、靖国通りの大ガードをくぐると、
左手には新宿歌舞伎町。
今日は新宿のホストが交通整理をしています。
駅の西と東でこんなにも空間が違います。
ちなみに、靖国通りは皇居のすぐ北を通り、
新宿と浅草橋を結んでいる放射状の道路です。
靖国通りをまっすぐ皇居に向かってきましたが、
市ヶ谷の外堀まできたところで、外堀通り沿いに北へ進路変更です。
東京の環状道路は、この外堀通りと内堀通りが
比較的走りやすくてよいですね。途中で切れないし。
マラソンを語るには欠かせない空間です。
右手に外濠公園が見えてきました。
中央線に乗っていると、
「あれこんなとこに川あったっけ?」
さあ、飯田橋からいよいよ皇居の中心に向かっていきます。
竹橋で内堀通りに接続。皇居ランナーはここでほっと一息ですかね。
内堀通りを進んでいくと、左手に見えるのが
かつて「一丁ロンドン」といわれた丸の内です。
昔と比べるとずいぶんと超高層になってしまいましたが、
街区のスケールは変わりません。
そして、日比谷公園が見えてきます。
10kmマラソンの方はここでフィニッシュ。
ちなみに日比谷公園は、1903年に開園された
日本で初めての大規模な西洋式公園です。
明治時代、近代化に向けて浅草寺や飛鳥山などが「公園」となりましたが、
江戸時代からの境内や景勝地の名前を変えたに過ぎませんでした。
その一方で、日比谷公園はドイツの近代公園を参考に、
日本のデザインを組み合わせた全く新しい様式で整備されました。
日比谷公園ではビール祭りを開催していることもあるので、
喉が渇く季節には、ドイツを感じに出かけてみてはいかがでしょう。
さて、東京マラソンは第二段階に入ります。
日比谷通りを品川まで南下し、往復して日比谷公園に戻ると、
ちょうど全行程の半分を走ることになります。
この辺は、東京タワーを感じながらの道中ですね。
新橋・田町・品川と日本を動かすオフィス街を走ってゆきます。
ちなみに皇居からも「東京タワー」はこんな感じで見えます。
増上寺越しにはこんな感じ。
東京タワーがあると、方向感覚がなくならないので重宝します。
新東京タワー墨田区にが出来ても、
まだまだランドマークでいて欲しいものです。
品川の超高層オフィスビル群。最南端の目印ですね。
話によると、この品川の折り返し地点の調整が
42.195kmの調整をできる部分だったみたいですね。
ちなみに、マラソンのコースデザインには、
簡単に言うとこんな制限があるそうです。
「エレベーション」
スタート地点からゴール地点までの標高の減少は
競技距離の1000分の 1 以下(42m 以下)
→下り坂ばかりだと、スピードの出しやすいコースデザインになり、
協議の方向が変わってしまうからでしょう、きっと。
スキーのクロスカントリーコースがアルペンだったら変ですもんね。
「セパレーション」
スタート地点とゴール地点は直線距離で競技距離の 2 分の 1 以下
→追い風状態ばかりにならないための条件だそうです。
標高が40mくらいの新宿がスタートで、0mの臨海部がゴールなので、
制限の中で比較的スピードの出しやすいコースにしてますね。
最初コースを見て、何で品川まで行って往復するのかといった疑問も、
「セパレーション」を考えれば納得がいきます。
ちょっと説明くさくなりました。コースに戻りましょう。
日比谷公園まで戻ってきて、いよいよこのコースの目玉である、
「銀座中央通り」を走り抜けます。
「銀ブラ」ではなく「銀バシリ」ですかね。
あの小出監督が石原都知事に
「銀座が走れたらイーなー。」と言ったとか言わないとか。
東京マラソンでは欠かせないコースですね。