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先日、yahooブログでも作品を紹介している、石居麻耶さんの個展へ行ってきた。
実際に絵を見ているうちに、ひとつのフレーズを思い出した。
「どこにでもある街のどこにもない場所」
建築の人なら知っている人も多いと思うが、日経アーキテクチャー750号記念コンペのテーマ。
「どこにでもある場所とどこにもいないわたし」という
村上龍の短編集からヒントを得た建築家の内藤廣によるテーマである。
石居さんの絵には、場所を特定しない「どこにでもあるまち」が描かれている。
しかし、見ているうちに「むかしこんなところでこんなことを感じたな」という、
その人にしかわからない「どこにもない場所」が浮かんでくる。
強烈な個性はない。
だが、見る人の心の中に『或る日々の光景』を引き出していく「やわらかな迫力」を感じた。
それが彼女の個性なのだろう。
面と向かって絵の感想を言っただけに、
ブログの上と違ってちょっと照れくさかったですが。(^o^)
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どこにでもある場所は、身の回りや風景を侵食しつつあります。そのなかで人間の存在も不確かなものになるのではないでしょうか。
建築家は目に見える現実世界を構築する一員です。ですから、こうなってきた責任の一端は、それを放置してきた建築家にもあります。現実的でもあり哲学的でもあるこの状況に建築家はなす術がないのでしょうか。
どこにでもある街を見つけ出て、その中に、「どこにもない場所」を作り出してください。外部空間、内部空間、建築、ランドスケープ、何でも結構です。その一点が事態を違う方向へと向かわせるような場所、個人の誇りや支えとなるような場所を提案してください。 / 内藤廣
「どこにでもある場所とどこにもいないわたし」
コンビニ、居酒屋、カラオケボックスなど、そこに人は集まっているが相互の関係性が薄い、つまり“他者”のいない、現代日本の象徴的な“場所”を舞台とした短編集。/ 村上龍
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