アジアンタムブルー

アジアンタムブルー (角川文庫)

アジアンタムブルー (角川文庫)

前作「パイロットフィッシュ」では
生まれ持っている雰囲気として、
やさしさが表現されていたのが、

アジアンタムブルー」になって
そのやさしさのわけや意味が
急に掘り下げられます。


主人公の職業やエピソードがエロくて俗っぽい分
憂鬱の中からしか生まれてこないやさしさや
じわじわとせまりくる「死」の恐怖に対する思いが
対照的にやわらかく純粋になっているのでしょう。

セカチューみたいに喪失感が残るのではなく
ふわっとした勇気や元気の出てくる作品です。