<strong>3.新しいショッピングセンター類型(アメリカを参考に)</strong>

「コンビニエンスニーズ対応型SC」

ネイバーフッドSCは、スーパーマーケットを核に、さらに「家事」へのソリューション提供という役割を追いもとめている。
「家事=家庭生活の演出」を「さらに簡便に・さらに楽しく・さらにヘルシーに」と変化するニーズに対応してどんどん変わっている。



「コストコンシャス・ニーズ対応型SC」

コミュニティSCはほとんど消え、核のGMSは業態自体がなくなった。
ふだんの生活に材料を補充するという役割は、GMSよりももっと低価格でもっと幅広く商品を提供するディスカウント業態に取って代わられている。
これと平行してコミュニティSCも、ディスカウントストアを集めた「パワーセンター」や「アウトレットモール」など、新しいコスト訴求型のSCにその座を奪われてしまった。CSCというSC類型は消滅している。



「ラグジュアリーモール」

リージョナルSCは、価格や利便性というようなよりも、個人的な好み、という動機によって行われる買い物行き先として存在していましたが、これもさらに性格を洗練させている。




ポイント


■「家政婦」としての買い物の場合と30歳の女性としてファッションのショッピングに行く時とでは、ショッピングに期待している内容がまったく違う。この両方に一個の店舗(SC)で対応することは不可能。そういう中途半端な店づくりをすれば、たちまち、「より家庭の主婦向けの店」と「より30歳の女性向けの店」の両方から挟み撃ちにされてしまい、経営が成り立たなくなる。

■同じ地域にファッションをCSCで買う人もいれば、RSCで買う人もいる。また、一人の人が普段着るファッションはCSCで買い、特に自分が大事に考えている生活シーンでのファッションについてはRSCまで出かける、という使い分けももちろんある。

■自然発生的集積としての商店街と計画的集積としてのショッピングセンターとの間には簡単に比較できない違いがある。「ショッピングモールに見たてた整備・運用」とは、自然発生的な商店街を特定の買い物目的に対応する商業集積へと転換すること。単に外見を整える、空き店舗に欠業種を張り付ける、というレベルしか商店街の力量その他で出来ないならば、それは中心商店街に再びお客を呼び戻すことは出来ない取り組みだと言わざるを得ない。

■中心商店街、活性化するためには広域のお客が中心市街地を包囲する郊外型ショッピングセンターを「横目でみながら」通り過ぎ、アクセスの悪い立地までわざわざ来街してもらうことが必要。