見えがくれする都市

見えがくれする都市―江戸から東京へ (SD選書)

見えがくれする都市―江戸から東京へ (SD選書)

代官山ヒルサイドテラスなどで知られる建築家、槙文彦の著作。槙文彦の事務所の所員らとの共著で、江戸時代から続くまちの空間を分析しています。

まちの奥行きについて、あいまいな言いまわしでは無く、ビジュアルな表現でみちの構成を分析したり、海外事例と比較している点がよいですね。

現在の日本の都市計画でこのようなまちの奥行きを生み出すには、まちの機能として必要な道路の計画にあわせて、建築敷地の中で通り抜け空間を確保する方法や、散策することのできる歩行者のためのみちを、地区計画で地区施設(歩行者通路・広場等)に位置づける方法などが考えられます。

「まちの奥行きは生み出す価値のあるものだ」と、公共や企業が判断することができるような整理を、デザインの力でやっていきたいものです。